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ヒダル神
2008-08-18 Mon 15:26
山に出る妖怪の一種
神と書かれているが正式な神かどうかは不明だが、
地域によっては山の神・水神の一種と考えているところがあるようだ。
しかし、どちらかというと餓鬼の一種のようである。
神であろうが溶解であろうが、共通している点は、
山道などを歩いている人間に空腹感をもたらす悪霊(餓鬼)だということ。
主に西日本に生息する。

餓鬼は飢饉における餓死、凍死、野垂れ死などをしたものの霊で
山中で空腹状態になり、疲労困憊したものに取り憑き
これに憑かれると、歩いている最中に突然にして
激しい空腹感、飢餓感、疲労を覚え、手足が痺れたり体の自由を奪われたりし、
その場から一歩も進めなくなり、ひどいときにはそのまま死んでしまう。

これに憑かれるとされる場所は大抵決まっており、山道、峠、四辻、行き倒れのあった場所などが多い。
土地によっては火葬場や磯でも憑かれるという
他にも、関西では大台ヶ原山(奈良県)によく出るらしいと言われている。

山の中で長い間歩き続けていると、
気が立ってきて、つまらないことで同行の人と言い争いになって互いに気まずくなったり、
急に気力がなくなってだるくなり、疲れて座り込んでしまうことを
「ヒダル神に取り憑かれた状態」という。

ヒダル神に憑かれたときには、すぐに何かを食べ物を食べれば
身動きできなくなることはないとされ、
ヒダル神を防ぐためには前もって十分な量の食糧を持ち歩くと良いという。
そのために弁当を持って山道を行く際には、
その弁当を食べ尽さないという心得が伝わっている。
僅かの食べ物の持ち合わせもないときには、
道端に生えている草を口にすればどうにか助かることができるといい、
草すら無いときには掌に指で「米」と書いて舐めても良い
また土地によっては、食べ物を近くの藪に捨てる、
身につけている衣類を後ろに投げるという方法も伝わっている

ただし、現実的に考えた場合
食べ物を藪に捨てるよりも、自分で食べることが正解だと思われるので、
実際にその場面に遭遇した際は、自分で食べたほうが賢い選択だと思われる。

現代においても主に山間部で、稀にヒダル神に憑かれたという話が伝わっている。
一説によると、急激な血糖値の低下や二酸化炭素中毒がヒダル神に憑かれたときと同じ状態をもたらすといい、
植物の腐敗で発生する二酸化炭素をヒダル神の正体とする説もある。

ひどくお腹が空くことを「ひだるい」という方言?からきており、
兵庫県但東町(現・豊岡市)の伝説では
山中でヒダル神にとりつかれた飢餓状態で、
前方に幻の灯りが見え、いけどもいけども灯りを頼りに行こうともたどり着けなくなるともいう 。

徳川家康も、近江(現・滋賀県)から伊賀(現・三重県西部)へ越える御斎峠で
ヒダル神に取り憑かれたといわれる 。

地域によって名称は異なるが
ヒダル神
ダル神
ダル憑き
ダル(徳島県那賀郡、奈良県十津川地方)
ダリ(三重県宇治山田、和歌山県日高、高知県)
ダニ
ダラシ(北九州)など。

高知県、長崎県、鹿児島県などでは
「柴折様(しばおりさま)」と呼ばれる祠が峠や路傍に祀られており、
ここに折った柴を供えて行くと、その場所を通る人はヒダル神を避けられるといわれている 。
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